経営・開業・許可申請

日本政策金融公庫などの事業計画書作成 & 成功する経営・開業とは

「損益分岐点」「損益分岐点比率」「安全余裕率」という指標をご存じですか

金融機関は融資審査の際に提出する事業計画書の判断材料としてこれらの指標を注視します

しかし事業計画書には「損益分岐点」「損益分岐点比率」「安全余裕率」という記入項目はありません

皆様が作成した事業計画書の「事業の見通し(月平均)」という項目から指標の対象となる数値をピックアップします

その数値と指標を比較して融資するビジネスの安全度や成功率を予測して可否を検討します

金融機関は過去に融資した事業がその後どうなったのかという膨大なデータを保有しています

蓄積したデータを分析したものが業種別の指標と呼ばれるものです

その指標からかけ離れた事業計画だと審査通過は難しいかもしれません



どうしたら成功する事業計画書を作成できるか…

誰が読んでも分かりやすい内容

整合性が取れている計画であること

競合との差別化

市場環境の調査

などは大前提です

特に気を付けたいのは以下のものです


【事業の見通し数字に実現性があるか】

多くの方は売上見込みが100%達成できた場合だけを事業計画書に記入しますが

それが90%、70%だった場合のシミュレーション資料を添付すれば緻密に想定して起業を検討しているという本気度のアピールになります


【何を根拠に売上見込みを算出しているのか】

単純に「見込みが10%増加したとき…」とか「売上が1000万円の場合…」などではなく

客観性のある近隣施設の平均値や同業他社のデータを調査して自社の見込みと比較することで根拠や裏付けをします

もし「行政庁の補助金を現在申請中で認定されれば500万円おりる」などの計画があれば自己資本比率が高くなる要素として融資のハードルは下がります

友人に100万円を貸してもらう時に「1か月後に返すから」と言うのと

「2か月後に200万円の定期預金が満期になるからそれで返済する」と通帳を見せるのではどちらが貸してもらえる可能性があるか

金融機関も同じです

根拠を示すことは信用を得る上でとても大切です

無料テンプレートで事業計画書を作成して金融機関の審査に行ったが融資が受けられなかった時はこの部分が弱かったのかもしれません

自己資本比率も重視される項目なので著しく融資に頼る割合が高いとハードルは上がります

融資をつかみ取る為に返済の明確な根拠と成功するプランであることを数値でアピールした事業計画書を作成する必要があります

もちろんご自身で事業計画書を作成できる方は問題ありませんが時間は相当かかります

国家資格者に相談して開業準備の時間をお金で買うのも選択肢の一つです

開業時だけではなく開業後の安定経営のために客観的なアドバイザーがいた方がビジネス成功率は高くなると思います

開業後に

売上が見込み通りに推移しなかったら…

運転資金が足りなくなったら…

国家資格者に依頼した場合の費用対効果をどのように考えるか…

成功する経営・開業をつかみ取るには様々な分岐点・選択肢があります

どれを選択するのか

それが経営者として最初の決断となります



「損益分岐点」とは

損益(事業収支)が ± 0 になる時の売上高です

売上高がこの数字を超えると黒字になることを意味します

簡単に言うと事業の採算ラインです


「損益分岐点比率」とは

実際の売上高と損益分岐点の比率です

たとえば損益分岐点が500万円の場合

実際の売上高が1,000万円あったとすると

損益分岐点比率は50%となります
(500万円÷1,000万円)

一般に80%以下が優良企業ですから超優良企業と言うことになります

この数字が低いほど景気に左右されにくい安定したビジネスだと言われています

企業の体力を示すバロメーターのようなものです

事業計画書にある皆様の見込み数字を算入してみると参考になると思います


「安全余裕率」とは

現在の売上高を100%とした時に損益分岐点との割合を計算した指標です

この数字が高いほど経営状態に余裕があると言うことになります

たとえば損益分岐点が500万円の場合

仮に売上高が1,000万円だったとすると安全余裕率は50%となります
(1,000万円-500万円)÷1,000万円

それは売上高が現在の50%に減少するまでは収支がプラスだと言うことを示します

逆に売上高が500万円以下になると赤字に転落するという意味です

これらの指標を意識して事業計画を作成するだけでも審査通過の可能性は高くなると思います

融資審査を通過する事はビジネス開業のパスポートを手にしたにすぎません



貸別荘バケーションレンタル経営・開業 & 旅館業許可申請

旅館・ホテル・ペンション・民宿・キャンプ場・ロッジ・コテージなど様々な宿泊業がありますが

コロナ状況下において屋外で大自然を満喫できるグランピングなどが人気です

しかし施設の規模が大きい為に開業資金を個人事業主が捻出するには少しハードルが高い

台風の時期は天候によって直前に予約キャンセルが殺到してしまう

などの運転資金面での難しさがあるようです

そこで貸別荘ビジネスが次に来るのはでは…と注目を集めています

その理由は

一棟貸の貸別荘ビジネスは他の宿泊業より比較的安価に開業が可能

一棟貸なので他人との接触や食事時間をあまり気にしなくて済む

感染症対策上の理由で一棟貸の人気が高まっている

食事を提供しないため宿泊費を安く抑えられる

一棟貸なので大人数グループは一人当たりの宿泊単価が割安になる

家族やグループだけで自宅同様にくつろぐことができ調理設備も充実している

リゾート地の貸別荘はリモート需要も取り込める

貸別荘ゆえに長期滞在客も見込めるので経営上は他の宿泊業よりも安定する事が多い

観光・レジャースポーツ・コンサートライブ・ペット同伴など多様な宿泊ニーズに対応できる

など

起業する側と宿泊者側のニーズがちょうど時代にマッチしている

まさにビジネスチャンスが目の前にあるのかも知れません


貸別荘バケーションレンタル事業を始めるには住宅宿泊事業法の届出または旅館業法の許可が必要となります

旅館業法の許可は年間の営業日数に制限はありませんが立地の制限があります

一方で住宅宿泊事業法の届出は立地が制限されない代わりに年間の営業日数が180日以下に制限されます

どちらも決められた自治体に対して手続きを行う必要があります


【許可申請必要書類一覧】

①旅館業営業許可申請書

②営業施設の構造設備の概要

③施設の敷地配置図

④立面図、各階平面図

⑤建物の色彩がわかるもの
(色彩立面図、カラー写真など)

⑥施設の所在地から半径150メートル以内の図面

⑦水質汚濁防止法等公害関係書類

⑧建築確認申請に基づく「検査済証」の写し

⑨消防法令適合通知書(原本)

⑩申請者が法人等の場合は定款又は寄附行為の写し

⑪旅館業許可申請手数料(収入証紙)

⑫「旅館等設置協議書」の添付書類
・施設付近300m以内の様子が詳細にわかる地図
・施設の敷地配置図
・建物の色彩がわかる立面図
・建物の各階平面図
・施設の内部設備
・地域住民の同意書

時間的に余裕がある方は経費節減の為に申請を自分でチャレンジしてみるのも良いかもしれません

ただし

行政庁に建築確認の検査済記録がなかった

開業場所が制限区域に該当することを知らなくて許可がおりなかった

近隣住民の同意が得られなかった

消防の検査でじゅうたん・カーテンが防炎適合ではなかったので再購入して想定外の出費だった

など

開業時期や経費面で予想外の事態が生じる可能性があります

万全の態勢で開業したい方は国家資格者などに相談されることをお勧めいたします



貸別荘バケーションレンタルビジネス人気の秘密

ホテルや旅館とは異なり一棟まるごと貸切りとなるので他のゲストとの接触が少なく現地の大自然に溶け込みながら非日常を満喫するスタイルです


人気の秘密を調査した結果は次の通りでした


あまり旅行ができないからその資金で車を買い替えた

首都圏から車で90分の富士山麓河口湖・山中湖などの富士五湖エリアはアクセスがよい

富士五湖エリアは感染症対策山梨モデルを実施しておりコロナ感染者が少ない

山梨県は緊急事態宣言地域ではないのでお酒が普通に楽しめる

車で移動すれば他人と接触しなくて済む

貸別荘は1棟まるごと貸切なので家族だけで過ごせる

他の遊園地は制限があるが富士急はいつも通りアトラクションが楽しめる

貸別荘は家族やグループだけでバーベキューができる

平日は無料Wi-Fiが設置されている貸別荘でリモートワーク
週末は家族を呼んでバケーションレンタルを楽しんでいる

貸別荘は割引が充実しているので長期滞在と仕事がリーズナブルに両立できる

これらが富士山麓富士五湖の貸別荘バケーションレンタル人気の要因になっているようです


貸別荘経営はどうしたら儲かるのか

環境省・観光庁や大手旅行会社が「分散型旅行」を推進しています

その施策の一つとして「Go To 国立公園」があり山梨県・富士五湖エリアはその対象地域です

山梨県は富士河口湖を含むモデル地域でリモートワークやワークワーケーション受け入れに必要となるワーキングスペースを新たに設置する施設に1,000万円までの補助金制度を制定しました


どのような経営をしたら儲かるのか…

もし事業計画を作成する段階でこれらの情報が入手できたならどうしますか

漠然と開業地域・事業計画・資金準備計画をたてても貸別荘ビジネスが成功する確率は上がりません

行政庁の観光推進方針や補助金制度をご自身の経営プランに取り入れれば貸別荘ビジネスの強力な追い風になります

金融機関の審査も行政庁の補助金で回収が見込めるとなれば通過しやすくなります

補助金を設備投資にあてることができれば運転資金にも余裕がでます

すなわち貸別荘ビジネス成功の確率が高くなると言えます

たくさん種をまかなければ自分の見たい色の花を咲かせることは難しい

成功に近づく為に一つでも多くの選択肢を手に入れることが儲かるビジネス成功の秘訣なのかもしれません

有力な情報をネットで検索する

成功本を購入して研究する

国家資格者にコンサルティングを依頼する

など様々な手法があります

事業計画作成時の最初の経営判断がその後の未来図を変えます

開業までは雨の日や風の日もあります

開業後も台風や停電などに見舞われることがあるかもしれません

でも…

暗いと不満を言うよりも進んで灯をつける

そのような経営理念を持った方が成功しているように感じます